[16] 『「落とし」技術、いかにして。相手の本心を見破るか、元警視庁刑事 北芝健著 双葉社』を読んで! 川田栄男 2006・9・18
投稿者:川田栄男 投稿日:2006/09/18(Mon) 18:51
 
 前回この一押し書評では「波の上の魔術師」を紹介したが、誤作動入力で尻切れトンボになってしまったので、まず補足しておきます。「一国の盛衰や私企業の成長と停滞、そしてぼくたちひとりひとりの人生にも、細かな波の上下と潮目のうねりがある。自分自身の運命について値動き感覚を研ぎ澄ましておくのも悪くないだろう。」
 私しゃ日経新聞の読み方知らなかったネ!一見無味乾燥な数字データーや記事を、時系列で書き出したり、分析・加工したりして、体で「作業」すると見えてくるということがわかりました。前回チョンボのリカバリーはそのぐらいにして
おこう。
 今日ご紹介する本は、ドラマの刑事ものとは違う本物の刑事の凄さというより、あまりにも「人間的」なので感動した!どうせ退職した刑事の手柄話みたいなものだろうと、たかくくって本屋で立ち読みしていた。拾い読み中、あるところで、この本買ってみよう思った。
 「落としの極意は『相手の尊厳をいっさい傷つけない』ことに尽きる。」えっ!と思った。刑事ドラマでみると、ひとりが怒鳴ったり、脅かしたりで、もう一人が、頃合みはから
って、猫なで声で、親切ごかしに、早く白状すれば検事の心証もよくなるとか言って落とすのが常套手段だろうと思っていた。落ちなければ、精神的・暴力的な拷問に近いこともあるのでないかと思っていた。だから冤罪が生ずるのでないかと思っていた。でも違っていたようだ。警察を見直したョ!
 巻末に医学博士西田 伸氏の書評があるが、「本書は心理学を前提とした実践書としては、大変珍しいタイプの書籍である」とある。私もノイローゼで苦しみカウンセリング受けたのでわかるのだが、この刑事さんは、さかんにラ・ポールという言葉使う。これは心理学でいうところの信頼関係である。容疑者と刑事の間に、このラ・ポールができなければ、自白させることはむずかしいという。
 犯罪者は、自白すれば、刑務所に行かねばならない。罪悪感はあっても、簡単に認めるものではない。刑事と犯罪者との心理戦は真剣勝負である。困って、相談にきたクライエントとカウンセラーの関係とは状況が違う!もっとすさまじいものである。本当は罪認めて楽になりたいのが本音なのだろうが、一方認めたくない。ぎりぎり証拠押し付けられない限り、認めないのが人間かもしれない。物的証拠あっても、自白したがらない犯罪者もいるらしい。
 ひどい犯罪者を。人間扱いする必要はないのかもしれないが、そのやり方では、自白させるのはむずかしいようだ。
 残酷な人殺しした暴走族の話がでているが、自白の決めてになったのは、その犯罪者が自宅で飼っているペットの話しして、おまえの逮捕でペットは餌やれないから死んじゃうなとか、話かけたのが切っ掛けで落ちたとある。そんな残酷な犯罪者にペットを飼い大事にする愛情があるとは思えないが、意外と淋しい人生送っていたようだ。犯罪者の中に人間性・自己尊厳性を見て取るということがいかに大事か分かる。
 かと、思えば犯罪者の自己尊厳を尊重するのと、逆のことを、心鬼にして取り調べすることもあるそうだ。このシーンはすごい!190P以降です。要約するとこうです。
 我が子を殺した母親には、逆に人格否定で落とした。「相手の尊厳を守るどころか、ズタズタに切り裂いているようにに見えるからだ。しかしこの落としには、深い意図がある。児童虐待した母親は『自分の継承者をあやめてしまった』という自責の念にからか、心に傷を負っている。しかも誰にも告白することができずに、自然と心に壁をつくってしまうのだ。・・・同情の声をかけても、母親の心にできた壁に跳ね返されるだけに終わる。被疑者本人が『やさしくしてもらったらダメだ』と分かっているからである。・・・捜査官は。取調室の中であえて絶対正義をふりかざす。・・『誰かに怒られことによって救われたい』という気持ちくんで、あえて正義を演出するのだ。
 『Yは後ろ手にイスでつなげられていたが、イスを背負ったまま土下座をし始めた。ごめんなさい!ごめんなさい!頭を床にこすり付け、イスを背負い、泣きじゃくりひたすら謝るYの姿は異様で、その場にいるのもいたたまれないくらいだった。しかし私はぐっとこらえ、平気な顔を装い、さらに続けた。・・オレに謝るくらいなら死んだ子供に謝れ。いままでやってきたことを全部あやまるんだ!・・そうして子供にしてきたことをひとつひとつ具体的に述べさせ、洗いざらい謝らせた・・Yも私から受けた屈辱的な言葉に『かえってうれしかった』ともらしたほどだ。」
 何かで読んだkとある。犯人の本当の心理は早く捕まえてほしい。楽になりたいらしい。留置場にいれられて、初めてぐっすり寝られたとかいう話聞いたことある。深層心理では、どんな凶悪犯でも罪の意識に耐えられないようだ!
 最近警察官の不祥事多いけど、ちょっとは警察見直したでしよ!私しゃ感動しました。 ♪♪

 

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