[11] たかがボールペンと思うなかれ。新製品を2つご紹介しよう。2002・12・6 川田栄男
投稿者:川田栄男 投稿日:2002/12/07(Sat) 00:24
 
 まず、2002・4・17日経の記事、「ヒットに技あり、買い物百科」より、D−inkボールペン、税抜き120円(パイロット)である。「パイロットの消しゴムで消せる水性ボールペン『D-ink』が昨年の発売から累計約2600万本を販売した。・・中略・・ボールペンは、ペン先から出たインクの色素が紙の繊維の間にしみ込んで固着する。まず考えたのは、色素の粒子を大きくして、紙の繊維に浸透しないようにすること。粒子が紙の表面にとどまったいれば、消しゴムの摩擦で消せる。普通のインクは約0,1ミクロン。これを10ミクロン程度にすると、思惑通りの効果を発揮することがわかった。・・・中略・・消しゴムで消せても、インクが紙にしっかり付いてないと、手でこすっただけでも消えてしまう。これではボールペンとしては商品化できない。インクに含む接着剤がカギを握っていたが、粒子が大きいだけに従来の接着剤ではうまくいかない。ありとあらゆる接着剤をかき集め、2千以上のパターンを試したが失敗、研究は暗礁に乗り上げた。・・中略・・既存の適当な製品はなく、複数の科化学メーカーに開発を打診し、断られ続けた。・・ようやく1社が成功した。書き心地の改良など加えて店頭に並ぶまで、着手から実に4年の歳月がたっていた。」とある。消えるボールペンの開発物語スゴイ。このボールペンは公文書には使えないが、とても便利です。強いて言えば、インキの消費量が多い。通常のボールペンに比べ、早くなくなってしまうのが欠点か。
 もう1本ご紹介するのが、三菱のボールペン「uniPOWER TANK
スタンダード」税抜き200円である。2002・10・29の日刊ゲンダイの記事によれば、「インクがペン先のボールに落ちるのを重力にのみ頼ってきた。重力にのみ頼るわけだから、上向きに書いたり壁に向かって書くと、当然ながらインクはボールに落ちていかなくなり、書けなくなってしむわけだ。そこで三菱鉛筆では昨年1月、3気圧の圧縮空気をインクとともに閉じ込めたしんちゅう製rフィール(チップはステンレス)を開発した。・・圧縮空気でインクを押し出す『加圧機構』を備えていることで、・・・例えば、水に濡れるた紙にも書くことが可能だ。これは加圧sれていることで、インクが水を巻き込まなくなるからである。・・『水深20メートルまで書ける』というから、すごい。・・また加圧式は、使えるインクの種類を豊富にするというメリットを生み出した。その結果、マイナス20度の低音でも凍らないインクを採用することができた。・・・3気圧という強い圧縮空気でインクを押し出しているため、ペン先のボールが高速で回転しても、インクはボールについていく。つまりどんなに速書しても、線がかすれたり途切れたりしないのだ。・・ボールペン革命」これまたスゴイ。普通のボールペンは中国はじめアジアでも作れるだろう。でもこうしたハイテクのボールペンは日本の技術力・イノベーションの賜物である。
 田中さんのノーベル賞のタンパク質質量分析機の発明確かにスゴイ。中国に押されてモノ作りの自信を失いつつある日本に、再び勇気を与えてくれた。とても素晴らしい出来事だった。 
 しかし、たかがボールペンかも知れないが、こんなにスゴイ技術が活かされている。日本のGDP500兆円のうち300兆円が消費というエンジンである。少子化・高齢化はドンドン進行するも、日本はまだまだ世界に冠たる消費大国である。
 リチャード・クー氏もいっていたが、デフレで皆が、ミクロ経済で見ると、借金返すのは正しい経済行動なのだが、合成の誤謬で、マクロ経済では、デフレの基、極端な需要の落ち込みになるり、デフレ・スパイラル化しているのが今の日本経済である。正にデフレは需要縮小・負の連鎖であり、「死に至る病」である。
 もうデフレは終わりにしましょうヨ。59円のハンバーガーや290円の牛飯、1000円のQBハウスは止めましょうヨ。すべからく、モノには「適正」(reasonable)な価格があります。
 マネジメント・ゲームやるとわかりますが、研究開発力背景にして、程よくハイプライスで程よく売るのが一番利益でます。安売りしてものすごい数売らねば黒字にならない。一方むちゃくちゃハイPで、ほんの少しかうれない。でも黒字とか、つまり、プライス(価格)とボリューム(数量)はバランスが大事なのです。市場は創造するものです。安売りすると皆が損して、不毛の闘い・デスマッチになり市場が破壊されることもあります。
 対米輸出や、設備投資という経済のエンジンが弱くても、消費というエンジンが、ちょっと皆が、元気だし、明るい将来を信じられれば、1−2%の日本経済の成長はどーってことないんです。消費マインドが大事です。
 セブンイレブン・イトーヨ―カ堂の鈴木社長も言っています。「経済学は心理学」だって、11・27日経の記事によれば「消費成熟化に対応必要」「消費者は変わっているのに、『安くすれば売れる』と思い込み低価格路線に走ったことが原因だ。」同11・28の記事では「おにぎり1個200円 セブン―イレブン カ二使った新製品」とある。安けりゃいいというものでない。自分の価値観にあった納得のいく、コダワリの消費・買い物をしよう。メーカーもコダワリの1品やブランドで勝負しよう。価格競争に巻き込まれない力つけようヨ。それが本当の内需拡大につながると思うヨ。
 それはそれとして、アメリカのイラク侵攻は12月Xデーでこれについては、「きらりと光る情報」コーナーでちかじか、取り上げますが、戦争特需と原油高で、インフレになるかも知れない。
 かってのデフレは朝鮮戦争でやった止まった経緯がある。今度の世界的デフレも、アメリカのイラク侵攻にはじまり、イラクが、イスラエルに核ぶっぱなし、イスラエルの核報復で中東全面戦争(ユダヤVSパレスチナ)になるかもしれない。すでに、ケニヤのホテル爆破や、イスラエルの航空機にミサイルときなくさくなってきた。
 アメリカのイラク侵攻の隙をついて、「米も重油もない、座して死ぬより」とばかりに、「窮鼠猫を噛む」で北朝鮮が南に侵攻しないとも限らない。日本にテポドンが飛んでこないともかぎらない。戦争でも起きないと、デフレは回避できないかもしれない。
 

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